ゲルマニウムの夜 ―王国記1

花村萬月「ゲルマニウムの夜 ―王国記1」

過激な暴力、性描写と書くと、よくある純文学の一分野の気がしてしまうが、これはグロテスクさで一つ突き抜けている。修道院を舞台に神を冒涜するかのような行為が重ねられていくが、それは宗教の欺瞞を露わにしながら、同時に信仰の悦楽に対する研究となっている。過激な描写はあくまで表面的なもので、その核にあるモチーフは古典的な印象。

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