体育会系の青年。一見すると心身共に健康で、人当たりも良い人物だが、読んでいてどこか気持ち悪い。他者に(どころか自分に対しても)興味がなく、目の前のことにだけ反応して生きている。
「他者に迷惑をかけないが自己中心的」という人物像は、極めて現代的。
タイトルにあるように最後に破局が訪れるのだが、破局が訪れずに淡々と続いていく方が怖かったような気がする。おそらくこうした、健全過ぎるずれた人は社会のあちこちにいる。
第163回(2020年上半期)芥川賞受賞作。
読んだ本の記録。
体育会系の青年。一見すると心身共に健康で、人当たりも良い人物だが、読んでいてどこか気持ち悪い。他者に(どころか自分に対しても)興味がなく、目の前のことにだけ反応して生きている。
「他者に迷惑をかけないが自己中心的」という人物像は、極めて現代的。
タイトルにあるように最後に破局が訪れるのだが、破局が訪れずに淡々と続いていく方が怖かったような気がする。おそらくこうした、健全過ぎるずれた人は社会のあちこちにいる。
第163回(2020年上半期)芥川賞受賞作。