不義密通 ―禁じられた恋の江戸

氏家幹人「不義密通 ―禁じられた恋の江戸」

古典を理解する上で、江戸時代の貞操観念の理解が欠かせないと思い、手に取った一冊。
(実際には、上記の真面目な理由と、下世話な関心が半々)

不義密通の事例を各藩の史料から次々と引用していくばかりで、それほど厚い本でもないのにお腹いっぱい。人の世は今も昔も変わらないんだな、という印象。ただ体面は現代とは比べ物にならないほど気にされたようで、寝取られた側にも課される厳しい処分や、妻敵討の事例はなかなか興味深い。もう少し社会学、歴史学的な考察があれば。

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