巷談 本牧亭

安藤鶴夫「巷談 本牧亭」

半世紀前の直木賞を受賞した、安藤鶴夫の小説での代表作。

東京最後の講談定席、本牧亭を舞台に、そこを訪れる常連、芸人の悲喜こもごもを淡々とした筆致で綴っていく。今となっては失われてしまった世界を描いていてちょっと切ないけど、読んでいて何とも温かい気持ちになる。どことなくからっとしているのは、江戸っ子気質か。人の世の喜怒哀楽全てに対して優しくなれそうな作品。

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