日本国憲法の二〇〇日

半藤一利「日本国憲法の二〇〇日」

半藤版「敗北を抱きしめて」というような内容(と言っても、J.ダワーの方を読んだのは10年以上前だからあまり覚えていないけど)。

当時中学生だった著者自身の記憶と、山田風太郎や高見順の日記で当時の社会の雰囲気を綴っていく。天皇制と引き換えに憲法に国民主権・戦争放棄が盛り込まれたという視点で、敗北を抱きしめざるを得なかった大人たちへの反発がしつこいほど語られているが、一方で平和主義の理念を何よりも尊いものとし、今更押し付けと騒ぐことも批判している。

「今日になると、ときには何と鈍感で無風で安易な戦時下や戦後を過ごしたものか、とびっくりするような同じ年ごろの老人たちが多くいるのに気づかせられる。そして彼らの発言はひとしく勇ましい」

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