狂言サイボーグ

野村萬斎「狂言サイボーグ」

野村萬斎の雑文集。

万作・萬斎狂言会に行くといつも満席で、しかも客席に若い人が多くてちょっと驚く。個人的には京都の茂山千五郎家の方がおおらかな雰囲気で好みだが、万作、萬斎父子の存在感はやはり他の狂言師と比べても際立っている。

自らをサイボーグと喩えてしまうように、徹底的に型をたたき込まれた身体こそ、個性を発揮できる。古典の、特に狂言師の演技を見ると、狂言に限らず現代劇への客演でもそう感じる。

やわらかい文章だが、ところどころに芸に対する極めて厳しい姿勢が見え隠れしている。

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