イシコ「世界一周ひとりメシ」
旅は好きだが、一人で飯屋に入るのは大嫌い。見知らぬ街を歩くのは楽しいけど、見知らぬ店に入るのは怖い。
「常連客ばかりだったらどうしよう。頼み方がわからないかもしれない。店主が怖かったら嫌だ。そうかといって店主からやたら話しかけられても困る……」
逡巡して通りを行ったり来たり。中の見えない店なんて論外。店の戸を開ける時は足がすくむ。著者自身も最後に書いている通り、臆病で優柔不断な性格は、ちょっとやそっとの旅では変えられない。
文章も内容も起伏が少なくて、エッセイとしてはあまり面白くなかったけど、とても共感した一冊。