空飛ぶ馬

北村薫「空飛ぶ馬」

事件がなくてもミステリーは成立することを示す爽やかな短編集。日常に起こるちょっとした謎を、安楽椅子探偵役の落語家が鮮やかに解いていく。主人公の落語好き女子大生は“普通の人”として描かれているが、梁塵秘抄から中村真一郎、フロベールまで読み込んでいる文学少女で、さらにオペラや演劇まで嗜み、批評眼もあるという……大学生というより40歳くらいの感性という気がして発行年を見たら著者40歳の時の作品。まあ、それこそがこの主人公の魅力ではあるんだけど。

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