画文集 炭鉱に生きる 地の底の人生記録

山本作兵衛「新装版 画文集 炭鉱に生きる 地の底の人生記録」

国内で初めて世界記憶遺産に登録された元炭坑夫の画文集。半世紀以上をヤマで暮らし、ヤマが消えた後、夜警をしながら残した大量の記録。労働の光景から事故、道具、俗信……決して“写実的”とは言えない絵だが、労働者自身による記録は圧倒的な迫力がある。

カンテラの明かりで這いつくばって掘り進んだ明治期の炭坑。何より驚くのが、そこに女性の姿がかなり多いこと。

「孫やその孫たちが、こんなみじめな生活もあったのか、と心から思えるような社会であってほしい。それだけがせめてもの願いであります」

記録することの意味、凄さを感じる一冊。

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