ヴォイス 西のはての年代記II

アーシュラ・K・ル=グウィン「ヴォイス 西のはての年代記II」

「西のはての年代記」第2作。占領下で文字の使用が禁じられた都市を舞台に、語り手の少女の成長を通じて自由と信仰、和解を描く。

語りかけるものとしての言葉や文字の持つ力の大きさ。手垢の付いたテーマなのに、もっと読んでいたいと思える世界観が素晴らしい。

「お告げは命令を下すのではない。その逆で、考えるように促すのだ。謎に対して思考を寄せることを、わたしたちに求めるのだ。考えて行動した結果が思わしくなくとも、おそらく、それがわたしたちにできる最善のことなのだ」

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