東京原子核クラブ

マキノノゾミ「東京原子核クラブ」

理研時代の朝永振一郎博士をモデルに、戦争へと進んでいく時代の青春を描く。史実をもとにしつつも、決して“戦争もの”ではないし、評伝でも無い。仁科研の二号研究自体も既によく知られているため、科学と戦争や倫理の問題を描いた作品としての目新しさも無いけど、ストレートな青春群像劇として心に残る。最後まで爽やかさを失わず、時代に関係なく、そこに生きた人々にとって、自分だけの悩みや喜びを抱えたかけがえのない日々があったことが、すっと心に染みる。

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