ティンブクトゥ

ポール・オースター「ティンブクトゥ」

ホームレス詩人ウィリーと犬のミスター・ボーンズ。ボーンズの視点で語られる話だが、その思考は哲学的で、もはや犬である必然性が無い。そうした設定も含めて決してセンチメンタルにならないのがオースターらしい。あらすじはシンプルだが、安易なメロドラマに堕さない。ウィリーに先立たれたボーンズは新たな環境で生きていこうとするが……。現代のアメリカを書いた作品とも、生の実感と自由を巡る物語とも言える。

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