投稿日: 2011-07-082017-02-23ワセダ三畳青春記 高野秀行「ワセダ三畳青春記」 いいなあ、大学に戻りたくなってしまった。 アパートの三畳間を駆け抜けた青春人模様。最後、恋してアパートを離れる決意をするところは心がほっとしてしまった。すてきな1冊。
投稿日: 2011-07-072017-02-23空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む 角幡唯介「空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む」 チベットのツァンポー峡谷に残された未踏の5マイルに挑んだ記録。 石川直樹は神田道夫を題材に「最後の冒険家」という本を書いたが、この本からは現代でも“冒険”はし得るという強い思いを感じる。それはかつてに比べればずっと個人的なものだけど。
投稿日: 2011-07-062017-02-23空の中 有川浩「空の中」 著者の作品を評して時々使われる“大人向けライトノベル”とは言い得て妙。文章や構成は丁寧だけど、キャラ作りとかセリフとかがラノベっぽい。読みながらにやにやしてしまう。ストーリーも驚きは無いけど、良いよねこういうの、って読後感。老若男女、お話が好きな全ての人にお勧めできる。
投稿日: 2011-07-042017-04-13アラスカ 永遠なる生命 星野道夫「アラスカ 永遠なる生命(いのち)」 写真にも文章にも自然への畏敬と優しさが溢れている。こんな言葉とまなざしを持ちたい。 巻末の父の言葉。「動物がどこにいるか探さないとわからないような写真。道夫らしい撮り方だと思います」。小さな命と大きな自然。シンプルだけど、それを1枚で感じさせる写真家は他にいない。
投稿日: 2011-07-032017-02-23苦海浄土 石牟礼道子「苦海浄土」 読み終え、言葉が出ない。水俣の話だが、ルポでも聞書きでもない。ジャーナリズムでは絶対に出来ない記録と鎮魂と告発の仕方。 苦海そのものに生きる人々の語りは、逆説的に人間讃歌ですらある。
投稿日: 2011-07-012017-02-23必生 闘う仏教 佐々井秀嶺「必生 闘う仏教」 インド仏教の先頭に立つ元日本人僧。煩悩も生きる力と言い切り、アウトカーストの解放に尽くす破格の人物。 現代日本の仏教からみれば「闘い」という言葉自体が異質だが、日本でも中世に日蓮や親鸞が出てきた時はこの人のような「闘う仏教」だったのだろう。
投稿日: 2011-06-242017-02-26岬・化粧他 ―中上健次選集12 「岬・化粧他 ―中上健次選集12」 「重力の都」は息苦しさを感じるほど。 谷崎の後に中上があるが、その後は無い。中上の死で日本の近代文学が終わったと言われるが、それに納得してしまうだけの作品。
投稿日: 2011-06-182017-02-26スティル・ライフ 池澤夏樹「スティル・ライフ」 初期の池澤夏樹の文章は透明感という言葉がしっくりくる。文章を読むだけで気持ちが軽くなる作家はそうそういない。