宮本常一「絵巻物に見る日本庶民生活誌」
中世以前の絵巻物の隅に描かれた民衆の姿を通じ、当時の生活を読み取っていく。
仮説をつなげ、語られなかった歴史をよみがえらせる手法は後に網野善彦らの研究につながっていった。かなり面白く刺激的な一冊だが、印刷が不鮮明なのに加え、絵の収録が不十分なのが残念。新書ではなく大型本で読みたい。
読んだ本の記録。
内田百間「阿房列車 ―内田百間集成1」
中身が全く無いのに面白い。最近エンタメノンフィクションという言葉が使われるが、その元祖とも言える。
石川淳の作品なんかを読んでも思うけど、日本文学の文体の豊穣さはいつの間に失われたのだろう。