澁澤龍彦「東西不思議物語」
妖怪、幽霊、魔術……西洋にこんな話がある、日本にも似たような話がある……と、東西の怪異譚を引きながら、イメージの差異や共通性を軽妙な語り口で紹介していく。
澁澤龍彦らしい衒学的な香りにどっぷりと浸かれる一冊。博識ぶりに驚くとともに、つまみ食い的な物足りなさも。
読んだ本の記録。
大野更紗「困ってるひと」
闘病記ながら、見事なエンターテイメント。
共感できる所もあれば、できない所もあるけど、そんなのは当然のこと。生きることは大変だけど、自分の生きている場所で、自分なりに頑張ろう、そういう気持ちになれる。
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内田百間「阿房列車 ―内田百間集成1」
中身が全く無いのに面白い。最近エンタメノンフィクションという言葉が使われるが、その元祖とも言える。
石川淳の作品なんかを読んでも思うけど、日本文学の文体の豊穣さはいつの間に失われたのだろう。