秋の日本

ピエール・ロチ「秋の日本」

仏作家、ピエール・ロティの日本滞在記。

明治期に日本を訪れて記録を残した外国人は大勢いるが、ロティはラフカディオ・ハーンなどと比べるとかなり率直な旅行者の視線=軽侮や驚き混じりの感想を記していて、だからこそ、現代の旅行記と似た感覚で面白く読める。京都駅で人力車の客引きに囲まれる所など、バックパッカーのインド旅行記のよう。

ロティは明治政府が威信をかけて催した鹿鳴館の舞踏会にも招かれていて、西洋風の燕尾服やコルセットを着けた日本の男女に「なんだか猿に似ている」「どう見ても本物らしいところがない」。

一方で歓待ぶりには素直に感動を記していて、裏表がない。

ところどころ女好きの感じがするのも面白く、混浴風呂に男の先客がいるのは嫌がって女性がいるなら喜んで行ったり、気に入った少女に歳を聞いて「日本では、教養のある男は、いつも婦人に年齢を尋ねなくてならないのである」。冗談なのか、本気なのか分からない。

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