華氏451度

レイ・ブラッドベリ「華氏451度」

ブラッドベリの代表作の一つ。読書も書物の所有も禁じられた社会で、書き記すこと、を描いたかなりストレートな寓話だけど、本の消えた社会の光景は、現実の現代と怖いほど似ている。紙が燃え上がる温度を据えたタイトルは20世紀の小説でもトップクラスのセンスだと思う。

「わしたちには、いまやったことの愚劣さがわかるのだ。一千年ものながいあいだ、やりとおしてきた行為の愚劣さがわかるんだよ。それが理解できて、しかも、そのばかな結果を見ておるので、いつかは、やめるときがくる」

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