ゴールデンスランバー

伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」

首相爆殺の犯人に仕立てられた男の逃亡劇。かなりのページ数にもかかわらず、ひたすら逃げる場面が続く。

なぜ首相が殺されたのか、なぜ主人公が選ばれたのか――。最後まで読み終えても、多くの「なぜ」が残る。

たしかに、現実に自分がこのような状況に置かれたら、誰も「なぜ」には答えてくれないだろう。そういう意味では現実の不条理さに徹底していて潔いと思う一方、エンタメ小説としてはちょっと消化不良な気も。

とはいえ、引き込まれて一気に読んでしまったので傑作であるのは間違いない。

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