近代能楽集

三島由紀夫「近代能楽集」

三島由紀夫が能を現代風に翻案した戯曲集。非常に巧みな翻案で、短編小説よりも短い文章に三島のエッセンスが凝縮されている。能楽の美と三島の美意識が深いところで共鳴しているよう。

解説でドナルド・キーンが書いているように、能は言葉遣いは古くても、内容自体はギリシア古典劇と同様、時代に全く関係が無い。時代を超越した人の情念や美を描いていることがよく分かる。

コメントを残す