能を考える

山折哲雄「能を考える」

山折哲雄による能についての随筆集。気付いたことや想像、仮説を綴っているシンプルな内容だが、興味深い視点が多く、考えるヒントがたくさん。仏像と神像の顔つきの違いと「翁」の関係や、世阿弥の息子、元雅についての考察など、能楽や個々の謡曲に対する理解が深まる。特に「弱法師」についての話題は、説経節、浄瑠璃から折口信夫、三島由紀夫へと広がり、芸能の根源に迫っていてスリリング。

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