転校生

平田オリザ「転校生」

朝起きたら転校していることに気付き、それ以前の記憶は無くしてしまったという生徒が教室に入ってくる。劇中にも登場するカフカの作品を連想させるような不思議な展開だが、その謎を掘り下げていくわけではなく、生徒たちの日常会話がだらだらと続いていく。

同時進行の会話が多いのが著者の戯曲の特徴だが、この作品は登場人物が多いこともあって特にその構造が強く表れている。課題図書のこと、家族のこと、そのほか諸々の些細なこと。そうした雑多な会話を通じて、個々の存在の肯定とでも言うべき不思議な感動が湧き上がってくる。

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