宮本常一「山に生きる人びと」
木地屋、狩人、サンカ、修験者、落人……
膨大な著作を残した宮本常一だが、山岳民を中心にまとめたものは意外と少ない。
平地から山に入った民は山の中でも水田を開き、一方で、畑のみの集落は山から山へ生きてきた民のものでは、など、学術的な根拠は曖昧でも、日本列島の暮らしを考える上で宮本の視点は非常に面白い。
東北から九州まで、あそこにこんな例が、ここにはこんな話が、と次々と話が飛んでいく博識ぶりに圧倒される。頭の中の地図はどうなっているのだろう。
読んだ本の記録。