シェイクスピア「オセロー」
妻の不貞を疑い、嫉妬に狂うオセロー。
最もコントロール出来ない感情として、“嫉妬”が物語の中心にあるが、人種や親子、友人、主従……など人間関係のあらゆる問題が詰まっている。だからこそ世界中で何度も何度も再演され続けているのだろう。
「嫉妬というのはひとりで種をはらんでひとりで生まれる化け物です」
読んだ本の記録。
高山文彦「火花 北条民雄の生涯」
「何もかも奪われてしまって、ただ一つ、生命だけが取り残された」と「いのちの初夜」で書いた北條民雄。
「社会的人間として亡びるだけではありません。そんな浅はかな亡び方では決してないのです」
癩を病み、23歳の若さで夭逝するまで生きることの恐ろしさを極限化した生を見つめ続けた。その作品は究極の所で、生を肯定する叫びとなった。
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高野秀行「謎の独立国家ソマリランド」
圧巻。事実上の独立国家ソマリランド、海賊国家プントランド、そして無政府地帯。不可能と思えるような地域を旅してエンターテイメントに仕立てあげながら、氏族の構造や政治体制、歴史にまで踏み込んでいて、著者の取材力に脱帽。現在の“ソマリア”に関するほぼ唯一の日本語文献として、資料的な価値も高い。
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