仕事で文章を書くため、執筆用の機材は長年試行錯誤してきたが、やっと満足のいく環境が整った。E Ink電子ペーパータブレット+キーボード。
最終的な原稿の仕上げにはWindowsのノートPCとデスクトップPCを使うものの、PCでは思い付いた時にすぐ書き始めることは難しい(最近は起動時間が随分早くなったとはいえ)。長時間液晶画面を見続けるのもつらい。
個人的に欠かせない機能が、縦書き編集とDropbox等のオンラインストレージ(現在はOneDriveを使用中)との連携で、黎明期のWindowsタブレットも使ったし、iPadやAndroidタブレットとキーボードの組み合わせも試した。Windowsタブレットはバッテリーの持ちが不十分(最近のSurfaceでやっと及第点)で、iOSやAndroidは、使いやすい縦書きエディタがこれまでなかなか見つからなかった。
プロの作家にも愛用者が多いというポメラ(DM200)はわりと気に入っていて、書くだけなら非常に使いやすいが、PCとの連携が不得手なのがネックだった。新機種(DM250)でオンラインストレージへの転送機能がだいぶ改善されたようだが、スマートフォンのアプリを介する必要があるのが残念。
(ただ、PCと頻繁に行ったり来たりしないなら、ポメラが最強だろう。キーボードも小型のわりに打ちやすく、起動時間・バッテリーの持ち・画面の視認性・目への負担、どれも優れている)
Kindleなどで電子ペーパーが一般的になってきて、画面の応答速度がもう少し上がれば……と思っていたら、中国メーカーOnyxのE Ink Androidタブレット、BOOXシリーズがワープロ用途で実用に耐えるレベルらしいと聞いて手を出してみた。
10.3インチのBOOX NoteAir2を半年ほど使用してみて、現状特に不満はない。ワープロとして使うには十分な応答速度(画質とのバーターで調整可能で、ワープロ用途なら画質は多少落としても気にならない)。Androidタブレットなので、ちょっとしたウェブブラウジングや電子書籍端末としても使えるのも便利。
何より電子ペーパーで、目にあまり負担が掛からないのがうれしい。これまでは執筆に行き詰まると、とにかく紙に打ち出して読み返していたが、紙の使用量も減った。
最大のネックはAndroidベースということで、エディタの選択肢が限られてしまうが、縦書き時はTATEditor、横書き時はJota+でとりあえず満足。どちらもオンラインストレージへ直接保存、読み出しが可能で、ライティング用としては機能も十分。
自宅ではPCと同じ据え置きのキーボード(MX KEYS mini。タッチも軽く静かで、個人的にはこれが一番使いやすい)、外出先では折りたたみのキーボード(MOBO Keyboard)と接続して使用している。折りたたみキーボードはUS配列のものばかりで、どれもEnterキーが小さいのが不満点だったが、MOBOのキーボードは日本語配列、Enterキーも大きく、据え置きとほぼ同じ感覚で使うことができる。
背面にMOFT Xのスタンドを装着。自宅の机ではもう少し高さが欲しいため、高さ調整可能なスタンドを使用している。
E InkタブレットにはHuaweiなども参入しており、これから市場が広がるかもしれない。