PCからLDACで音楽を飛ばしたい。Sony SRS-NS7を使い始めてから、ずっとそう思っていたが、なかなかちょうど良い機器が見つからなかった。
中国の音響機器メーカーFiiOのUSB DAC「BTA30」は、Bluetoothレシーバー＆トランシーバーを搭載し、しかもLDAC送信ができる優れものだったが、USB接続時にLDAC送信ができないという致命的な欠点があり、選択肢に入らなかった。
それが「Pro」になり、USB入力からのLDAC送信が可能になった。電源もUSBから供給されるため、配線はコード1本で大変使いやすい。主にネックスピーカーで使用しているため、細かな音色までは聞き比べていないが、SBC接続に比べれば明らかに音質は向上しており、十分満足のいくレベル。
入力端子はUSBのほか、光デジタルと同軸デジタル入力も備えており、CDプレイヤーなどとも接続可能。
（というわけで光出力可能な小型・安価なCDプレイヤーが欲しいのだが、今やCDプレイヤーは高級オーディオと安価な語学学習CD用ばかりで、ちょうど良いものが無い……）
送信はLDACのほか、SBC、aptX、aptX LL、aptX HDにも対応し、トランスミッターとして現時点では唯一無二の性能。レシーバー機能も備えているため、アンプにつないでスピーカーを鳴らすなど、さまざまな用途が考えられる。送信／受信／DACは全面のスイッチで切り替えられ、使いやすい。
イヤホンジャックはないものの、背面のラインアウトから変換ケーブルでつなげば通常のヘッドホン程度なら十分鳴らすことができる。ボリュームダイヤルがついているのも便利。
幅12cm×奥行5.5cm×高さ2.6cmと小型軽量で、アルミ合金製の筐体は、高級感とまでは言えないものの、決して安っぽくはない。中国メーカーのオーディオ機器はもはや馬鹿にできないどころか、痒いところに手が届く品はまさに中国にあり、という感じになりつつある気がする。
