高野秀行「ミャンマーの柳生一族」
軍政を幕府、軍情報部を柳生一族に例えた異色の旅行記。船戸与一の取材旅行に同行してミャンマーに入った短い期間のものだが、何でもエンターテイメントに仕上げてしまう著者の力技に感動。アウンサンスーチー率いるNLDと軍政の対立について、民主化運動と単純に捉えるのではなく、少数民族側の視点でお家騒動に過ぎないとするあたり、結構鋭い指摘も。船戸与一の泰然自若ぶりも面白い。
読んだ本の記録。
橋爪大三郎、大澤真幸「ふしぎなキリスト教」
キリスト教というより、ユダヤ教から始まる一神教入門。
人間中心に世界を見る多神教に対し、人間から完全に隔たった神が中心の一神教。神の意志が捉えられないからこそ続く問いかけ。それこそが信仰で、教祖の言葉が全てとなりやすい新興宗教との大きな違いだろう。
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