1991年、京大学士山岳会と中国登山協会の合同登山隊17人が、未踏峰の梅里雪山で消息を絶つ大規模な遭難事故があった。遭難で仲間を失った著者は、再度日中合同で登頂を目指した96年の登山隊に参加したものの、天候の悪化で断念。その後、98年夏に氷河の下流で遺体が見つかったことを機に麓の村に通い始める。
一人で村に住みながら、遺体と遺品を探し歩く日々。聖山を汚した登山隊への地元の反発は根強かったが、徐々に村民との間に友情が育まれていく。そして村で暮らし、山の周囲を巡る巡礼路を歩くうちに、著者の心の中で、登山の対象としての「梅里雪山」が聖山「カワカブ」へと変わっていく。
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