ダニエル・T・マックス「眠れない一族 −食人の痕跡と殺人タンパクの謎」
中年期に発症し、不眠状態から死に至る「致死性家族性不眠症」。その遺伝病に代々苦しめられてきたイタリアの一族の物語を軸に、スクレイピー、BSE、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールーなどのプリオン病の歴史と、それに迫る科学者たちの姿を描く。
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読んだ本の記録。
ダニエル・T・マックス「眠れない一族 −食人の痕跡と殺人タンパクの謎」
中年期に発症し、不眠状態から死に至る「致死性家族性不眠症」。その遺伝病に代々苦しめられてきたイタリアの一族の物語を軸に、スクレイピー、BSE、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールーなどのプリオン病の歴史と、それに迫る科学者たちの姿を描く。
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南木佳士「ダイヤモンドダスト」
信州の別荘地に建つ病院で働く看護師や医師を主人公とした短編集。シンプルだが澄んだ文章。死を静かに見つめる感性は、医師としての経験によるものか。表題作以外の3編はタイの難民キャンプでの医療従事経験が下敷きとなっている。
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小島信夫「アメリカン・スクール」
小島信夫の作品には、周りの世界がおかしいのか、主人公がおかしいのか、読み手の自分がおかしいのか分からなくなる不思議なズレがある。
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高野秀行「移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活」
在日外国人の「食」を訪ね歩いたルポ。取材相手の出身国はタイ、イラン、フィリピン、スーダンと多岐にわたる。彼らがふだん食べているのは日本食? それとも母国の料理? それなら食材はどこで手に入れているのだろう? 身近に住んでいても意外と知らない食生活。食はそのコミュニティーのありのままの姿を映し出す。
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山川静夫「大向うの人々 歌舞伎座三階人情ばなし」
劇場の三階席後方から声をかける「大向こう」。静岡から上京した著者は大学時代に歌舞伎にはまり、自らも大向こうになる。タイミング良く声をかけるには話の筋を覚えているだけでなく、義太夫や長唄の知識も不可欠。それは趣味というより一つの芸、生き様に近い。
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中島らも「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」
進学校で落ちこぼれていった日々から、フーテン時代までを振り返るエッセイ集。躁鬱やアルコール依存のイメージ、夭逝したこともあって型破りな人という印象が強いが、文章は柔らかく、温かい。それは、自身の弱さを隠さず、人の弱さを否定しないからだろう。自殺した友人について書いた文章が特に心に残る。
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