高野秀行「アジア未知動物紀行 ベトナム・奄美・アフガニスタン」
ベトナムの「フイハイ」、奄美大島の「ケンモン」、アフガニスタンの「ペシャクパラング」。
ミャンマーやソマリアのルポで高い評価を受ける著者だが、大学時代のデビュー作「幻獣ムベンベを追え」から一貫して未確認動物=UMAの探求にも力を入れていて、トルコ・ワン湖周辺を舞台とした「怪獣記」など、一連の著作はいずれも面白い。
“アジア未知動物紀行 ベトナム・奄美・アフガニスタン” の続きを読む
読んだ本の記録。
高野秀行「アジア未知動物紀行 ベトナム・奄美・アフガニスタン」
ベトナムの「フイハイ」、奄美大島の「ケンモン」、アフガニスタンの「ペシャクパラング」。
ミャンマーやソマリアのルポで高い評価を受ける著者だが、大学時代のデビュー作「幻獣ムベンベを追え」から一貫して未確認動物=UMAの探求にも力を入れていて、トルコ・ワン湖周辺を舞台とした「怪獣記」など、一連の著作はいずれも面白い。
“アジア未知動物紀行 ベトナム・奄美・アフガニスタン” の続きを読む
ミュージシャンとして活躍する傍ら、作家としても多数の小説やエッセイを発表している大槻ケンヂの短編集。オカルト、SF風の5編が収められている。表題作と「のの子の復讐ジグジグ」は星雲賞の受賞作。
“くるぐる使い” の続きを読む
陸軍の最初の特攻隊「万朶隊」の隊員で、9回出撃し、通常攻撃や機体の故障などで9回とも生きて帰ってきた佐々木友次氏の記録。亡くなる2カ月前までの貴重な証言が収められている。
“不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか” の続きを読む
戦時中に九州帝大で行われた米兵捕虜に対する生体解剖事件を題材とした作品。著者の初期の代表作の一つで、手術に立ち会った医学生や看護師のそれまでの人生を描きながら、日本人における罪の意識のあり方を浮かび上がらせる。
“海と毒薬” の続きを読む
ラーメンズの戯曲集。といっても長いものではなく、ト書きもはほとんどないコント台本。収録作は初期の名作「読書対決」など。かみ合わない、バカバカしい会話の中に、ふと、コミュニケーションや人間の本質的な滑稽さをついたようなやりとりがある。斜め上の発想と鋭いセンスに脱帽。
“小林賢太郎戯曲集 home FLAT news” の続きを読む
郊外の国道沿いにチェーンのレストランや衣料品店が並ぶ無個性な地方都市。そんな街に暮らすことの“退屈”を主題とした短編集。主人公のほとんどは10~20代の女性で、都会に出て行くことに憧れているか、かつて暮らした都会に心を残してきている。
地方都市の描き方がステレオタイプすぎる気はするものの、そのステレオタイプがあながち間違いでもないのがまさに地方の閉塞感であり、地方から都会に出て暮らしている人間として、個人的に共感する部分も多かった。
“ここは退屈迎えに来て” の続きを読む
戦国時代屈指の悪役で、謀将、梟雄と恐れられた宇喜多直家をめぐる連作短編集。表題作はオール讀物新人賞を受賞した著者のデビュー作だが、短編とは思えない広がりを持ち、作家としての大器を感じさせる。
“宇喜多の捨て嫁” の続きを読む
青々と茂った木々の間を、家族連れや観光客、ジョギングで汗を流す男女が行き交う。広大な敷地が緑に覆われ、穏やかな空気の流れる大阪城公園だが、1960年代までそこには見渡す限りの焼け跡が広がっていた。
梁石日の「夜を賭けて」は、その焼け跡を舞台とした青春小説。アパッチ族と大村収容所という忘れられた歴史事実に光を当て、時代に翻弄され続けた在日コリアンの戦後史を描き出している。
“夜を賭けて” の続きを読む
“奇界遺産”の撮影を続けるカメラマンのエッセイ集。タイの地獄寺から、台湾のアウトサイダーアート村、トーゴの呪術市場、南米のUFO目撃スポットまで。さらに、イタリアでは澁澤龍彦の足跡を辿り、諸星大二郎とパプアニューギニアを訪れる。
“奇界紀行” の続きを読む