村山斉「宇宙になぜ我々が存在するのか」
宇宙になぜ物質が存在するのか。ニュートリノとヒッグス粒子を中心に素粒子について丁寧に解説した一冊。
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読んだ本の記録。
ミチオ・カク「2100年の科学ライフ」
2100年、科学はどこまで進歩し、ライフスタイルはどう変わっているか。医療やナノテクノロジー、エネルギー、宇宙開発などの分野について、現在の課題と今後の発展を考察した一冊。
シリコンに替わる素材や並列処理でムーアの法則の終焉を避けられるのか、パターン認識と常識を人工知能に盛り込むことができるのか、宇宙開発におけるコストの問題…などなど。
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吉田司「下下戦記」
「苦海浄土」が人間の尊厳を奪う水俣病の悲惨さを描くと同時に逆説的な人間賛歌となっているのに対し、「下下戦記」は文学的に昇華されることを徹底的に拒否している。
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柳田邦男「空白の天気図 核と災害1945・8・6/9・17」
原爆投下と終戦を挟んだ混乱期、1日も欠かすこと無く観測業務を続けた広島気象台の台員たち。通信も設備も壊滅した中で天気図は描けず、予報業務も行えなかった。9月17日の枕崎台風は、広島で上陸地の九州よりはるかに多い約2千人の死者行方不明者を出す。
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森達也「A3」
何も解明されないままほぼ終結したオウム裁判。独房で糞尿を垂れ流し、面会時には自慰行為に及ぶ……麻原は公判の途中で訴訟能力(責任能力ではない)を失っていたのではないか。
裁判に限らず、オウムはあたかも“例外”として扱われ、信者には建前の人権すら認められない。懲罰感情ばかりが先走りする社会に著者は異議を唱える。
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大島堅一「原発のコスト ‐エネルギー転換への視点」
原発のコストは、電力会社にとっては確かに安い。それはコストとリスクを未来へ先送りすることと、発電に直接関わる費用以外を、電源三法交付金などで国の負担とすることで、経営の外側に追いやっているからだろう。事故に伴う賠償コストを除いたとしても、本来なら使用済み核燃料などのバックエンドコストや高速増殖炉などに費やされる関連コストは考慮に入れないといけない。
もちろん原発を無くしても、これらの関連コストはすぐに解消されず、短期的には化石燃料の焚き増しや自然エネルギーの開発コストも含めて非常に高くつくことになる。ただ原発が安いという欺瞞のもとに政策を進めていくのではなく、本来のコストとリスクを見極めて判断していく必要がある。
渡辺一史「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」
人工呼吸器をつけながら、親元を離れて自由に生きることを求める鹿野さんと、それを24時間体制で支えるボランティア。介助する側とされる側が互いの関係を問い続けたことが、“自立”生活を可能にした。
美談でもアンチ美談でもない、著者自身の悩みも含めた誠実な筆致が印象的。
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2012年の読書数は130冊(前年比19冊減)、37016ページ(同約1万ページ減)。
古い本は除いて、印象に残ったもの。
まずノンフィクションから。
松本仁一「兵隊先生 沖縄戦、ある敗残兵の記録」
増田俊也「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」
高山文彦「エレクトラ―中上健次の生涯」
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