菅野完「日本会議の研究」
みんな知っているのに、みんなよくは知らない「日本会議」。そのルーツが新興宗教「生長の家」の学生運動にあり、現在もその人脈で政権を取り囲んでいることを丹念な資料調査で明らかにした労作。
“日本会議の研究” の続きを読む
読んだ本の記録。
菅野完「日本会議の研究」
みんな知っているのに、みんなよくは知らない「日本会議」。そのルーツが新興宗教「生長の家」の学生運動にあり、現在もその人脈で政権を取り囲んでいることを丹念な資料調査で明らかにした労作。
“日本会議の研究” の続きを読む
マルク・レビンソン「コンテナ物語―世界を変えたのは『箱』の発明だった」
地味なタイトルだが、ノンフィクションの名著として名高い一冊。
「コンテナ」が本格的に登場したのは二十世紀中盤。コンテナは物流コストを劇的に下げ、世界の経済を大きく変えた。箱での輸送は19世紀以前から試みられていたが、陸海共通のコンテナという仕組みはトラック運送で身を興した一人の男の発想だった。そのマルコム・マクリーンの生涯を軸に、社会と経済の変化を追っていく。
“コンテナ物語” の続きを読む
山口雅也「生ける屍の死」
死者が次々と蘇るという世界設定からして異色のミステリー。主人公が一度死んでからが本番という物語もぶっ飛んでいる。死者が蘇るため、アリバイも、証拠も、さらには動機も、全てが発想から変わってくる。普通のミステリーに飽きたという人には非常におすすめ。
“生ける屍の死” の続きを読む
田中康弘「日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?」
マタギの取材を長年続けてきた著者が、西表島の猪から礼文島のトドまで、各地の猟に同行したルポ。日本人は決して農耕一色の民族ではない。むしろ何でも食べる。猟の方法も興味深いが、何より、その後の解体、調理の生き生きとした描写に引き込まれた。
“日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?” の続きを読む
つかこうへい「幕末純情伝」
つかこうへいの代表作の一つ。戯曲と小説のセット版。沖田総司が女という設定が共通していること以外は、映画、戯曲、小説、全て見事なほど別物。戯曲も上演ごとに大きく異なる。
新撰組や志士の面々が出てくるが、歴史ものではなく、総司と土方、龍馬のラブストーリー。でも、一般的なラブストーリーの甘さは無く、とにかくめちゃくちゃ。
“幕末純情伝” の続きを読む
宮城公博「外道クライマー」
エンタメ系ノンフィクションでは、早くも今年ベストと呼び声高い一冊。2012年、那智の滝に登り逮捕されたクライマーが綴る“山ヤ”よりも無茶苦茶な“沢ヤ”の世界。籔をかき分け、あえて谷底に入り、死と隣り合わせでゴルジュを正面突破する。沢ヤに比べれば、アルパインクライマーのなんと常識的なことか。馬鹿馬鹿しさを突き抜けて、次第に神々しく見えてくる。
“外道クライマー” の続きを読む