大江健三郎「万延元年のフットボール」
久しぶりの大江作品。とにかく過剰。描写も要素も醜悪さも希望も。
万延元年の一揆を通奏低音とした作品だが、要約が不可能なほど主題が入り組んでいる。
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読んだ本の記録。
大江健三郎「万延元年のフットボール」
久しぶりの大江作品。とにかく過剰。描写も要素も醜悪さも希望も。
万延元年の一揆を通奏低音とした作品だが、要約が不可能なほど主題が入り組んでいる。
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足利健亮「地図から読む歴史」
地形や地名に残された微かな意志の断片をもとに歴史を読み解く歴史地理学のエッセンスが詰まった一冊。
郡境がなぜ今のように定まったのか、信長がなぜ安土に城を築いたのか、飛鳥をあすかと読む理由は……。本当に面白くて刺激的な分野。
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中上健次「千年の愉楽」
“死んだ者や生きている者らの生命があぶくのようにふつふつと沸いている”路地の産婆、オリュウノオバと若くして死ぬ中本一統の澱んだ血。改行や句読点が少なく読誦のように紡がれる文章。小説としてのコンセプトは紀州版「百年の孤独」だろうけど、文章の端々から土地の匂い、“夏芙蓉”の香りが漂ってくるよう。
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石井光太「アジアにこぼれた涙」
「旅行人」に連載されていたもの。アフガントラックの絵師、スラムの少年の夢、日本人に捨てられたジャカルタのニューハーフ……。最近相次いで本を出している著者だが、これは特に思い入れのあるエピソードを集めたのだろう。どれも非常に強い印象が残る。
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