高野秀行「謎の独立国家ソマリランド」
圧巻。事実上の独立国家ソマリランド、海賊国家プントランド、そして無政府地帯。不可能と思えるような地域を旅してエンターテイメントに仕立てあげながら、氏族の構造や政治体制、歴史にまで踏み込んでいて、著者の取材力に脱帽。現在の“ソマリア”に関するほぼ唯一の日本語文献として、資料的な価値も高い。
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読んだ本の記録。
高野秀行「謎の独立国家ソマリランド」
圧巻。事実上の独立国家ソマリランド、海賊国家プントランド、そして無政府地帯。不可能と思えるような地域を旅してエンターテイメントに仕立てあげながら、氏族の構造や政治体制、歴史にまで踏み込んでいて、著者の取材力に脱帽。現在の“ソマリア”に関するほぼ唯一の日本語文献として、資料的な価値も高い。
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猪瀬直樹「天皇の影法師」
東京日日新聞による世紀の誤報「光文」や、天皇の棺を運ぶ八瀬童子、「明治」「大正」に否定的で晩年を元号の考察に捧げた森鴎外の話など、天皇の崩御を巡る四篇のノンフィクション。
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沢木耕太郎「凍」
山野井泰史、妙子夫妻によるギャチュンカン北壁登攀の記録。
下山時の細かな描写が圧巻。悪天候につかまり、吹雪、雪崩、宙づり、岩壁に張り付いてのビバーク、そして疲労の中、徐々に視力が失われていく。
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奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年」
出生直後に病院で取り違えられた二人の少女とその家族の17年にわたる克明な記録。
血液検査がきっかけで取り違えが発覚した後、両家族は小学校入学を目前に再び子を交換する。6年の月日は重く、子供たちは実の親にも新しい環境にも馴染めず、互いの家庭を行き来する不安定な交流が続く。
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ミチオ・カク「2100年の科学ライフ」
2100年、科学はどこまで進歩し、ライフスタイルはどう変わっているか。医療やナノテクノロジー、エネルギー、宇宙開発などの分野について、現在の課題と今後の発展を考察した一冊。
シリコンに替わる素材や並列処理でムーアの法則の終焉を避けられるのか、パターン認識と常識を人工知能に盛り込むことができるのか、宇宙開発におけるコストの問題…などなど。
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吉田司「下下戦記」
「苦海浄土」が人間の尊厳を奪う水俣病の悲惨さを描くと同時に逆説的な人間賛歌となっているのに対し、「下下戦記」は文学的に昇華されることを徹底的に拒否している。
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