投稿日: 2011-11-192017-02-21西ひがし 金子光晴「西ひがし」 「どくろ杯」「ねむれ巴里」に続く自伝3作目。 妻をベルギーに残して日本への帰途、戦争の空気が漂い始めたマレー半島で再び当てどない生活に。 “西ひがし” の続きを読む
投稿日: 2011-11-072017-02-21ねむれ巴里 金子光晴「ねむれ巴里」 パリは、よい夢をみるところではない― 日本から上海、そしてパリへ。社会のどん底を這いずり回って生きていく。 “ねむれ巴里” の続きを読む
投稿日: 2011-10-022017-02-24アヘン王国潜入記 高野秀行「アヘン王国潜入記」 当時世界最大の阿片産地だったゴールデントライアングルの農村で、芥子を栽培しながら7カ月過ごした破格の記録。 村に溶け込み、しかもアヘン中毒の“駄目な村人”に。 ビルマの少数民族についての貴重な報告でもある。ジャーナリスト的な思考に染まった人間にはこういうものは書けない。
投稿日: 2011-09-142017-02-24どくろ杯 金子光晴「どくろ杯」 絶望的な困窮の中、妻との問題を抱え、長い放浪の旅が始まる。抑揚の無い淡々とした筆致ながら、人の業の深さと生の力強さに溢れている。はっとするような言葉使いも随所に。 「唇でふれる唇ほどやわらかなものはない」 「うんこの太そうな女たちが踊っていた」
投稿日: 2011-09-032017-02-24貧困旅行記 つげ義春「貧困旅行記」 鄙びた温泉地を旅し、侘びしい旅籠で煎餅布団にくるまる。世の中から捨てられたような気持ちになり、そこに安らぎを感じる。タイトルから想像されるような貧乏旅行記ではなく、内容も淡々としているが、この時代の日本を旅してみたかったなと思わせる味がある。 「貧しげな宿屋で、自分を零落者に擬そうとしていたのは、自分をどうしようもない落ちこぼれ、ダメな人間として否定しようとしていたのかもしれない。(中略)自分を締めつけようとする自分を否定する以外に、自分からの解放の方法はないのだと思う」
投稿日: 2011-08-112017-02-24ヤノマミ 国分拓「ヤノマミ」 南米アマゾンの先住民、ヤノマミ。 生まれた子を精霊としてそのまま天に返す場面に衝撃を受ける。死生観などの価値観は、想像ができないほど我々日本人と隔たっている。それでも同じ様な感情を抱く。それが人らしさなのだろう。 “ヤノマミ” の続きを読む
投稿日: 2011-08-022017-02-24わたしの旅に何をする。 宮田珠己「わたしの旅に何をする。」 活字で笑うことはめったにないけど、この人の文章は思わず吹き出してしまう。内田百閒の「阿房列車」的な面白さ。 冒頭から「会社なんか今すぐ辞めてやる、そうだ、今すぐにだ、という強い信念を十年近く持ち続けた意志の堅さが自慢である」とのあほらしさ。
投稿日: 2011-07-312017-02-24幻獣ムベンベを追え 高野秀行「幻獣ムベンベを追え」 コンゴ奥地に生息するというモケーレ・ムベンベ。“誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く”著者の早大探検部時代の原点。 無謀だからこそ切り開ける世界がある。
投稿日: 2011-07-072017-02-23空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む 角幡唯介「空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む」 チベットのツァンポー峡谷に残された未踏の5マイルに挑んだ記録。 石川直樹は神田道夫を題材に「最後の冒険家」という本を書いたが、この本からは現代でも“冒険”はし得るという強い思いを感じる。それはかつてに比べればずっと個人的なものだけど。