ベルトルト・ブレヒト「三文オペラ」
強盗の親玉と、乞食の元締めの娘の結婚式から始まるドタバタ劇。全編、皮肉と人間の欲望のエネルギーに満ちあふれている。
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読んだ本の記録。
保坂和志「季節の記憶」
鎌倉を舞台に、父と息子、友人の兄妹との穏やかな日々を描く。大きな出来事は何もなく、子どもの目から見た世界の不思議と、大人の目から見た世界の不思議が綴られていく。
季節の記憶は年とともに層を重ねる。季節の移ろいに感じることは年を取るほど増えていく。
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扇田昭彦「こんな舞台を観てきた: 扇田昭彦の日本現代演劇五十年」
昨年急逝した扇田昭彦氏の劇評集。
前半は60年代から90年代前半に見た舞台を振り返って書いたもので、後半は近年までのリアルタイムの評。
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峯村健司「十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争」
権力闘争のドキュメント。毛沢東と劉少奇、華国鋒と鄧小平、江沢民と胡錦濤……、政治と権力闘争は切っても切り離せない関係だが、中国共産党のそれは民主国家の想像を遥かに上回る。
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ダニエル・T・マックス「眠れない一族 −食人の痕跡と殺人タンパクの謎」
中年期に発症し、不眠状態から死に至る「致死性家族性不眠症」。その遺伝病に代々苦しめられてきたイタリアの一族の物語を軸に、スクレイピー、BSE、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールーなどのプリオン病の歴史と、それに迫る科学者たちの姿を描く。
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小島信夫「アメリカン・スクール」
小島信夫の作品には、周りの世界がおかしいのか、主人公がおかしいのか、読み手の自分がおかしいのか分からなくなる不思議なズレがある。
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高野秀行「移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活」
在日外国人の「食」を訪ね歩いたルポ。取材相手の出身国はタイ、イラン、フィリピン、スーダンと多岐にわたる。彼らがふだん食べているのは日本食? それとも母国の料理? それなら食材はどこで手に入れているのだろう? 身近に住んでいても意外と知らない食生活。食はそのコミュニティーのありのままの姿を映し出す。
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中島らも「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」
進学校で落ちこぼれていった日々から、フーテン時代までを振り返るエッセイ集。躁鬱やアルコール依存のイメージ、夭逝したこともあって型破りな人という印象が強いが、文章は柔らかく、温かい。それは、自身の弱さを隠さず、人の弱さを否定しないからだろう。自殺した友人について書いた文章が特に心に残る。
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