現代口語訳 「秋山記行」 (信濃古典読み物叢書8)
昔の人の旅行記を読むのは面白い。
「我々里の者は、さまざまな悩みを心身にため、欲望をほしいままにし、鳥や魚の肉を食べ散らし、悩みや悲しみで心を迷わして、日々暮らしている。これでは夏の虫が火に入り、流れの魚が餌にかかるように寿命を縮めるばかりである。少しでも暇を手にすると、私のように金銭欲や名誉欲に走り――」「できるなら、私もこの秋山に庵を結んで、中津川の清流で命の洗濯をしたい」
都市生活に疲れた現代人の嘆きのようなこの文章、いつ書かれたものだろうか。
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