“異世界もの”と“終末もの”はエンタメ小説(特にライトノベル)や漫画の定番だが、それらを高度に融合させ、そこに哲学的な問いも盛り込んだ傑作。
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女が死んでいる
平成くん、さようなら
気鋭の若手学者として脚光を浴び、平成を象徴する人物としてメディアで活躍する平成(ひとなり)くん。平成の終わりと共に安楽死を考える彼の姿を、恋人の目を通して描く。
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国宝
哀愁の町に霧が降るのだ
自伝的長編エッセイ。安アパートの薄暗い六畳間で男四人の共同生活。当時の回想と、それを執筆する現在の著者の身辺雑記のような内容が交互に綴られる。
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ある男
ギッちょん
初期の短編集。木訥とした文章だが、独特のリズムと視点を持って書かれており、丁寧に読み解こうとすると途端に行き詰まる。語り手の見ているもの、意識に浮かんだもの以外を読み手は知ることができない。時系列も視点も混濁した文章に身を任せた時、不思議な情景が浮かび上がる。
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トム・ソーヤーの冒険
米文学を代表する作品の一つで、最も有名なキャラクターとも言えるトム・ソーヤー。子供向けの抄訳には触れたことがあっても、通読したことがある人はそれほど多くないかもしれない。特に最近では「ハックルベリー・フィンの冒険」の方が文学的な評価が高いこともあり、その影に隠れてしまっている印象もある。
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