第159回(2018年上半期)直木賞受賞作。
父親を殺した容疑で逮捕された女子大生、聖山環菜と、彼女についてのノンフィクション執筆を依頼された臨床心理・真壁由紀、その義弟で環菜の弁護人・庵野迦葉を軸に物語が進む。
“ファーストラヴ” の続きを読む
読んだ本の記録。
第159回(2018年上半期)直木賞受賞作。
父親を殺した容疑で逮捕された女子大生、聖山環菜と、彼女についてのノンフィクション執筆を依頼された臨床心理・真壁由紀、その義弟で環菜の弁護人・庵野迦葉を軸に物語が進む。
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先日発表された直木賞を受賞した作家の単行本デビュー作。
(本作ですばる文学賞最終候補に残り、その後に文学界新人賞受賞)
マンションの11階で、祖母と母、弟と暮らす女子高生、雛子の物語。
“宙の家” の続きを読む
野田秀樹の初の長編小説。戯曲と同じく、要約は不可能。荒唐無稽で叙情的な叙事詩。言葉遊びがふんだんに盛り込まれ、話はあらぬ方向に進んでいく。何かを語るために言葉があるのではなく、言葉そのものが自律的に走っているよう。
“空、見た子とか” の続きを読む
直木賞受賞作。手練れの恋愛小説。表題作は、かつて恋人だった男女が再会した夜の微妙な空気を描く。互いに若い頃より社会的な立場が上がり、優越感と郷愁が入り交じる、その微妙でいやらしい緊張感が著者の真骨頂。
“最終便に間に合えば” の続きを読む
化粧っ気が無く、不器用で、いつも公園の決まったベンチに座って子供たちにからかわれている「むらさきのスカートの女」。商店街の誰もが知っている彼女のことが気になり、友だちになりたいと思う「わたし」=目立たない自称「黄色いカーディガンの女」の視点から、その日常が描かれる。
“むらさきのスカートの女” の続きを読む
母親と二人暮らしのヒロシを中心に、中学3年の日常を抑制的な筆で綴る。登場人物はそれぞれに事情を抱えている。そこにドラマティックな解決は訪れない。誰もが悩みを抱えながら、それでも時は流れていく。
“エヴリシング・フロウズ” の続きを読む
「どんな人にも光を放つ一瞬がある。その一瞬のためだけに、そのあとの長い長い時間をただただすごしていくこともできるような」
忘れられない一瞬、それもドラマティックな場面ではなく、自分でもなぜその場面を繰り返し思い出してしまうか分からないような瞬間を切り取ったような、鮮やかな短編集。
“海の鳥・空の魚” の続きを読む