72歳と69歳の老夫婦の日常に26歳の青年が現れ、揺らぎが生じる。
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スタープレイヤー/ヘブンメイカー
ゲームでも小説でも、ファンタジー作品の魅力を大きく左右するのが、自分がその世界に行ったら、という妄想が捗るかどうかだと個人的には思っている。その点で著者の作品はその妄想が非常に楽しい。
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秋の牢獄
ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
表題作は、ぬいぐるみサークルの男女を中心とした物語。主人公は人を傷付けることを病的なまでに忌避し、他者の事情に踏み込むことに対して極めて臆病。恋バナに乗れず、男同士の露骨な会話に生理的な嫌悪感を抱く。自分が男であるというだけで、加害者の立場にいると気にしている。
こういう感性の人は昔からいただろうが、その消極的な“優しさ”は非常に現代的だと感じる。令和文学史、あるいは2020年代文学史が語られる時に、その初めに登場する作品になるかもしれない。
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あなたが私を竹槍で突き殺す前に
最近読んだ中で最も挑発的な小説。緊張感、スピード感のある展開はエンタメ性豊かだが、物語は非常に重く、読者に差別や社会運動について考えることを強いる。
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禅銃(ゼン・ガン)
「カエアンの聖衣」が非常に面白かったので、同じくコアなファンの多い「禅銃」も。
反乱で崩壊に危機に瀕した帝国、他の宇宙からの干渉、究極の戦士「小姓」、小さくも強力な兵器「禅銃」――など、SFやファンタジー好きの心をくすぐる設定盛りだくさん。
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ヒッキーヒッキーシェイク
引きこもりたちが、変わり者のカウンセラーの呼びかけで、「不気味の谷」を超えたバーチャルアイドル創作のプロジェクトに参加する。
荒唐無稽だが、決してスケールが大きいわけでも無い。それでもどこか惹かれる。不思議な手触りの小説。
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容疑者の夜行列車
あなた、と二人称で綴られる、ある女性ダンサーの旅の情景。パリ、ザグレブ、北京、ハバロフスク、ハンブルグ、ボンベイ――。あなたは、夜行列車の車内で奇妙な人々と出会い、時に現実と夢の境界が曖昧になる。
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猫を棄てる 父親について語るとき
父について綴ったエッセイ。趣味や日常生活については多くの文章がある作家だが、家族や生い立ちについては断片的な事柄しか書いてこなかっただけに、創作の背景が分かる貴重な資料でもある。
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希望の国のエクソダス
「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」
景気の停滞が続き、国際金融資本の食い物にされる日本。集団不登校となった中学生たちがインターネットを駆使したビジネスを始め、国家から独立した集団に育っていく。
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