中上健次「奇蹟」
精神病院に収容されたトモノオジと、その幻覚に現れるオリュウノオバの対話を通じて語られる「路地」の最後の物語。
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読んだ本の記録。
片野ゆか「ゼロ! こぎゃんかわいか動物がなぜ死なねばならんと?」
「明日の処分、本当になかとですか」
犬の殺処分ほぼゼロを達成した熊本市動物愛護センター。年間約700頭が週2回に分けてガス室に送られていた00年。引き取りを依頼する無責任な飼い主の説得と、収容された犬のトレーニング、譲渡先探しの徹底を経て、ガス室は稼働しなくなった。
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中島らも「水に似た感情」
不思議な魅力にあふれた小説。自身の体験を書いているという意味では、エッセイやノンフィクションとも言えるかもしれない。
取材で訪れたバリを舞台に躁病が高じていく前半と、入院を経て島を再訪する、不思議な静けさに満ちた後半。シンプルな中島らもの文体も、特に特徴が無いのに、読みやすいだけでなく、読んでいて少しずつ心が落ち着いていく。
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村上春樹「めくらやなぎと眠る女」
海外向けに編集された短篇集。ベスト盤的な内容で、「東京奇譚集」が丸々収録されていることもあって、初めて村上春樹の短編を読んでみようという人にもオススメの一冊。
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アビジット・V・バナジー、エステル・デュフロ「貧乏人の経済学 ―もういちど貧困問題を根っこから考える」
マクロな“貧困の経済学”ではなく、ミクロな“貧しい人の経済学”。
極めて貧しい人たちが、なぜ事業を営むのか。なぜ事業が拡大し得ないのか。食料に、蚊帳に、教育に費やすコストが予想より低くなるのはなぜなのか――。
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