気鋭の若手学者として脚光を浴び、平成を象徴する人物としてメディアで活躍する平成(ひとなり)くん。平成の終わりと共に安楽死を考える彼の姿を、恋人の目を通して描く。
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国宝
哀愁の町に霧が降るのだ
自伝的長編エッセイ。安アパートの薄暗い六畳間で男四人の共同生活。当時の回想と、それを執筆する現在の著者の身辺雑記のような内容が交互に綴られる。
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2018年まとめ
2018年に読んだ本は114冊(前年比10↓)、3万5779ページ(同6737↓)と2年連続減。あまり読まなかった上に再読も多い年だった。
小説で印象に残ったのは、ジョン・ウィリアムズ「ストーナー」、石牟礼道子「西南役伝説」、保坂和志「プレーンソング」、色川武大「生家へ」「友は野末に」、高橋源一郎「日本文学盛衰史」、古川日出男「アラビアの夜の種族」、東山彰良「流」。新刊・近刊では、平野啓一郎「ある男」、陳浩基「13・67」。
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ある男
て/夫婦
ハイバイの「て」を初めて観た時は衝撃を受けた。家族の複雑な感情も、過去のトラウマも、何気ない会話も、一旦舞台に上げてしまえば全てひっくるめて喜劇になるのだと知り、その視点はある種の救いにもなった。もちろん小説でも映画でも「家族」は定番の主題だが、生身の人間の演じる舞台で日常の中の愛憎を見せつけられることほど生々しいものはない。
「て」は祖母の死を巡る物語で、次男の視点と母の視点で同じ時間軸を二度繰り返す。その中で家族それぞれの抱える複雑な感情が浮き彫りになる。「夫婦」は家族に深い傷を負わせた父が死に、家族の過去が語られる。いずれも可笑しくも胸を締め付けられる作品。
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ギッちょん
初期の短編集。木訥とした文章だが、独特のリズムと視点を持って書かれており、丁寧に読み解こうとすると途端に行き詰まる。語り手の見ているもの、意識に浮かんだもの以外を読み手は知ることができない。時系列も視点も混濁した文章に身を任せた時、不思議な情景が浮かび上がる。
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日本を降りる若者たち
日本社会は必死にその上に載り続けることを個人に強いる。しがみつくのをやめれば外に落ちてしまう。どこの社会にもそうした部分はあるものだろうけど、日本では一度失敗すると元の場所に戻りにくい。人目を気にせずに生きられる場所が少ない、あるいは見つけにくい。
バックパック旅行を描いてきた著者が、日本社会から降りて東南アジアで暮らすようになった人々の姿を記録したルポ。日本での短期労働で資金を稼ぎ、1年の大半をバンコクで何もせずだらだらと「外こもり」の生活を続ける人々の話が中心だが、積極的にタイで働き、生きることを選んだ人も登場する。
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工学的ストーリー創作入門/物理学的ストーリー創作入門
ラリー・ブルックス「工学的ストーリー創作入門」「物理学的ストーリー創作入門」
著者は、考えながら書き、書き直しを重ねる手法(パンツィング)を否定し、物語にも原則があると繰り返し述べる。アウトラインを固めずに書いている作家でも、無意識にその原則に従っているのだと。その上でストーリーを構成するものを「コンセプト」「人物」「テーマ」「構成」「シーンの展開」「文体」の六つのコア要素に分け、それぞれにおける逆らうことができない物理法則を解説する。
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トム・ソーヤーの冒険
米文学を代表する作品の一つで、最も有名なキャラクターとも言えるトム・ソーヤー。子供向けの抄訳には触れたことがあっても、通読したことがある人はそれほど多くないかもしれない。特に最近では「ハックルベリー・フィンの冒険」の方が文学的な評価が高いこともあり、その影に隠れてしまっている印象もある。
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