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はじめに 関連作品 ランキング
Fu##in’ Up 2024年
クレイジー・ホースとの1990年のアルバム「傷だらけの栄光(Ragged Glory)」は、言うまでもない名盤。本作は、その収録曲ほぼ全曲(”Mother Earth”以外)を再現したライブ録音で、いずれの曲もタイトルを歌詞から取る形で変更しており、そこに今のニールの視点がにじむ。
23年11月4日のプライベート・パーティーにおける演奏とのことだが、熱のこもった疾走感のある演奏で、30年以上の歳月を経てなお、ニールの魂が変わっていないことを印象づける。声など、もちろんそこに衰えを見ることもできるが、、そんなのは些末なこと。「Ragged Glory」に込められたロックの精神は年齢程度では揺らがないのだ。「Before and After」とともに、ファンであればあるほど沁みる一枚では。
Before and After(ビフォア・アンド・アフター) 2023年
2023年の弾き語りツアーで披露した楽曲の一部をピックアップし、再レコーディング。いずれも過去に発表した曲であり、収録曲のほとんどが、いわゆるヒット曲や、アルバムの中の代表曲ではない。再解釈盤、あるいは、ニール自身が語る自らの音楽史と言ってもいいかもしれない。全曲がシームレスにつながれており、アルバムとして通して聴くことが想定されている。
Pearl Jamとの「Mirror Ball」に収録されていた” I’m The Ocean”は個人的に大好きな曲の一つなのだが、アコースティックで改めて聴いて、名曲と再確認。
Chrome Dreams(クローム・ドリームス) 2023年
ついに、というべきなのだろう。長年のファンにとっては説明不要の未発表盤で、ブートレッグでも最も有名な作品。それが公式ディスコグラフィーの中に位置づけられたことが感慨深い。1977年にリリース予定だった作品で、そのまま発表されていたら、70年代後半の代表作になっていたのでは。
録音時期は74~77年とばらけており、76年のセッションをまとめたお蔵入りアルバム「Hitchhiker」(2017年リリース)と重なる録音もある。「American Stars ‘n Bars」で披露された”Like a Hurriane”や、「Rust Never Sleeps」にクレイジー・ホースとのバンド版が収められた”Powderfinger”など、ほとんどの曲はその後に別のアルバムに収録されている。というわけで、ファンにとっては既におなじみの曲ばかりだが、ニールの創作過程が分かる重要なピースであり、まとめて聴くと、70年代中盤のニールの才能ほとばしる楽曲群に圧倒される。
The Ducks / High Flyin’ 2023年
Neil Young with the Santa Monica Flyers / Somewhere Under the Rainbow 2023年
ブートレッグの著名音源を公式からリリースする「OBS」シリーズの2と6。
The Ducks(ザ・ダックス)はニールと、ボブ・モズレー、ジェフ・ブラックバーン、ジョニー・クラヴィオットが結成したバンド。活動は短期間で終わったが、その1977年のライブ音源を収録している。いわゆるスーパーグループで、ニールの曲は五つ。
The Santa Monica Flyers(ザ・サンタ・モニカ・フライヤーズ)のメンバーは、ニルス・ロフグレン、ベン・キース、ビリー・タルボット、ラルフ・モリーナで、まさにニールにとっての黄金メンバー。
「Somewhere~」は1973年11月5日、ロンドンでのライブを収録。陰鬱さ故にリリースまで時を要した「今宵その夜(Tonight’s the Night)」のレコーディング後のツアーで、当時の人気曲はほとんど演奏していない。「ROXY – Tonight’s The Night Live」と同じツアーだが、本作の方がアコースティック寄りで、演奏もダウナーな雰囲気。オーディエンス録音で、音質にかなり難があるものの、ファンなら必聴。(ROXYの方が音が良いので、まずはそちら聴くのがオススメではある)
Ralph Molina, Billy Talbot, Nils Lofgren, Neil Young / All Roads Lead Home 2023年
ラルフ・モリーナとビリー・タルボット、ニルス・ロフグレンの3人がそれぞれ3曲を持ちより、そこにニールが1曲(Song of the Seasons)した10曲入りアルバム。ニールの曲は「BARN」収録曲のライブ・ソロ・バージョンで、こちらの方がシンプルで曲の良さが際立つ。ラルフたちの曲もそれぞれに味わい深い。
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