人間は有史以来、さまざまな仕事を生みだしてきた。この本(”The Worst Jobs in History”)が取り扱うのは、古代ローマから近代までの西洋における“最悪の仕事”の歴史。著者は、現代でいう「危険」「汚い」「きつい」の3Kに、「退屈」と「低収入」の二つを加えた3K2Tの仕事の数々を紹介している。
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小説 阿佐田哲也
伝説の雀士であり、戦後を代表する大衆小説の一つ「麻雀放浪記」の主人公“坊や哲”であり、その著者でもある阿佐田哲也。人気作家となった後に本名の色川武大名義でも純文学小説を書き、「狂人日記」などの名作で戦後文学史に足跡を残している。
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桜島・日の果て・幻化
出世作「桜島」、絶筆の「幻化」のほか、「日の果て」「風宴」を収録。
梅崎春生は1915年生まれ。戦中は海軍に暗号兵として勤め、その経験が46年発表の「桜島」に反映されている。
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アイデア大全
その名の通り、“発想法”の事典。古今東西の発想法、アイデアの出し方、視点の変え方、考え方の工夫が、実際にまねすることが出来るように事例付きで紹介されている。
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ホサナ
大傑作「告白」に匹敵する約700ページの大作。愛犬家の主人公は、ある日、“日本くるぶし”と名乗る神なのか何なのか分からない声から「正しいバーベーキューをせよ」という啓示を受ける。
物語は繰り返し思索の脇道にそれ、思索もひたすら脇道にそれ続ける。予定調和からは程遠い、無茶苦茶な展開がこれでもかというほど積み重ねられる。こんな突拍子もない物語を綴ることができるのも、饒舌な文体を持っているからこそ。
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花と火の帝
江戸時代初めの京都を舞台に、禁裏と徳川幕府の熾烈な戦いを描いた隆慶一郎の未完の遺作。登場人物が魅力に溢れ、ファンタジー色の強い展開ながら、史料と史実を踏まえた説得力のある偽史となっている。
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白いメリーさん
中島らもの短編集。商店街のおやじたちが殺し合う「日の出通り商店街いきいきデー」などのぶっ飛んだ作品から、ホラー、コメディ、人生の悲哀を感じさせる物語まで多彩な9本。
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おかしなジパング図版帖 -モンタヌスが描いた驚異の王国
宮田珠己「おかしなジパング図版帖 -モンタヌスが描いた驚異の王国」
「十七世紀のオランダ人が見た日本」が非常に面白かったので、そこに登場する本の挿絵を多数収録したこの本も買ってしまった。モンタヌスの著書の挿絵を中心に、丁寧な観察と壮大な勘違いが混ざり合った当時の日本像を紹介している。
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パラレル
デビュー作「サイドカーに犬」、芥川賞受賞作「猛スピードで母は」から、人間同士の微妙な距離感を描くのが巧い作家。
主人公の男は元ゲームデザイナー、今無職。妻の浮気で離婚したものの、その後も他愛のないメールのやりとりを続け、親しい友人としての距離を保っている。大きなアクシデントも、劇的な展開もそこにはない。過去の回想が挟まれつつ、淡々と日常が続いていく。
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生死を分ける転車台
500冊以上(!)の著書があるという多作な作家だが、これまで作品に触れたことが無かった。これは静岡のローカル線、天竜浜名湖鉄道を舞台にした作品で、十津川警部シリーズの一冊。
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