高橋源一郎「恋する原発」
予想以上に不謹慎、想像以上にカオス。震災チャリティーAVを巡り、原発、宗教、天皇、北朝鮮に始まり、ディズニー、AKB、けいおん……、今ぱっと思いつく限りの「批判できない空気」があるテーマをエログロ交えて書き荒らす。
十年後、二十年後まで残っているような名作とは思わないけど、面白い。こういう作品が出せるのが文学や小説の懐の深さだろう。
読んだ本の記録。
ジュノ・ディアス「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」
うーん、面白い。
トルヒーヨ独裁政権下のドミニカから渡米した家族の物語。デブでさえないオタク青年の悲劇的な一生と、その背後に流れるドミニカの辛く厳しい現代史。
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円城塔「これはペンです」
叔父は文字だ。文字通り―。妙な手紙を送ってくる叔父。これは小説と言えるのか、と思いつつ最後まで読むと確かに小説だった。
“わたしたちはあまりにも簡単に出鱈目を書けてしまうと思わないかね”
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