高橋源一郎「一億三千万人のための小説教室」
「教室」の形をとった高橋源一郎流の文学論。ことばを楽しむこと、自分なりの世界の見方を掴まえること、まねること。
新書ということもあって、あっさり気味だけど、本質的。真摯な作家だと思う。
読んだ本の記録。
ジュノ・ディアス「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」
うーん、面白い。
トルヒーヨ独裁政権下のドミニカから渡米した家族の物語。デブでさえないオタク青年の悲劇的な一生と、その背後に流れるドミニカの辛く厳しい現代史。
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内澤旬子「世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR」
アラブから芝浦まで、イラスト付き屠場紀行。
差別や動物愛護など、語ろうと思えばいくらでも語れる題材だけど、過剰な意味付けをせず、シンプルに「大切な、面白い仕事」としていきいきと描いている。
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「山海経 ―中国古代の神話世界」
獣がいる、その状は狐の如くで九つの尾、その声は嬰児のよう、よく人を食う。食ったものは邪気におそわれぬ―
最古の地理書。奔放な想像力が生み出した作品か、それともこれが「現実」だったのか。
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