一億三千万人のための小説教室

高橋源一郎「一億三千万人のための小説教室」

「教室」の形をとった高橋源一郎流の文学論。ことばを楽しむこと、自分なりの世界の見方を掴まえること、まねること。

新書ということもあって、あっさり気味だけど、本質的。真摯な作家だと思う。

至福千年

石川淳「至福千年」

開国と攘夷に揺れる幕末の江戸で聖教の楽園を築くため、暗闘する千年会。破天荒な人物、自在な展開に最後まで引き込まれる。何よりも古文を思わせる無駄のない流れるような文体。美しい。

世界屠畜紀行

内澤旬子「世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR」

アラブから芝浦まで、イラスト付き屠場紀行。

差別や動物愛護など、語ろうと思えばいくらでも語れる題材だけど、過剰な意味付けをせず、シンプルに「大切な、面白い仕事」としていきいきと描いている。
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