金子光晴「ねむれ巴里」
パリは、よい夢をみるところではない―
日本から上海、そしてパリへ。社会のどん底を這いずり回って生きていく。
“ねむれ巴里” の続きを読む
読んだ本の記録。
網野善彦ほか「米・百姓・天皇 日本史の虚像のゆくえ」
日本は瑞穂の国なのか。稲作中心史観を問い直し、明治政府の農本主義がいかに日本の歴史像を歪めたか検証する。
“米・百姓・天皇 日本史の虚像のゆくえ” の続きを読む
円城塔「これはペンです」
叔父は文字だ。文字通り―。妙な手紙を送ってくる叔父。これは小説と言えるのか、と思いつつ最後まで読むと確かに小説だった。
“わたしたちはあまりにも簡単に出鱈目を書けてしまうと思わないかね”
“これはペンです” の続きを読む
ジョン・クラカワー「荒野へ」
アラスカで餓死した青年。彼はなぜ荒野を目指したのか―。映画「Into the Wild」の原作ノンフィクション。
究極の自由は自分からの自由にしか存在しない。
“荒野へ” の続きを読む
著者の最後の長篇にして、到達点。他者を求め、他者に遠慮し、他者を諦め、それが独善であることに気づく。幻覚、幻聴に悩まされ、正気と狂気の間を彷徨う男の記録。
「自分は誰かとつながりたい。自分は、それこそ、人間に対する優しい感情を失いたくない―」
“狂人日記” の続きを読む