山崎ナオコーラ「ニキの屈辱」
ストレートな恋愛小説。読み心地も、読後感も漫画っぽい。気鋭の女性写真家、ニキとその助手。ニキのツンデレがテンプレ過ぎて、しかもデレの部分が甘さ強めで読んでいてしんどかったけど、終盤の、苦くて、切なくて、爽やかな感じはなかなか。
読んだ本の記録。
半藤一利「日本国憲法の二〇〇日」
半藤版「敗北を抱きしめて」というような内容(と言っても、J.ダワーの方を読んだのは10年以上前だからあまり覚えていないけど)。
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車谷長吉「赤目四十八瀧心中未遂」
“普通の人生”からドロップアウトして、安アパートの一室でひたすら串に臓物を刺し続ける日々。アマと呼ばれる往時の尼崎の雰囲気に引き込まれる。
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NHK取材班、北博昭「戦場の軍法会議 ―日本兵はなぜ処刑されたのか」
NHKのドキュメンタリーの書籍版。戦時中の軍法会議についての証言は極めて少なく、関連文書も終戦時に組織的に焼却されてしまったため、残っていない。法務官の生き残りの多くは戦後法曹界のエリートになっていて(このあたりは医学界の闇とも似ている)、口を閉ざしてきた。
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