根井浄「観音浄土に船出した人びと 熊野と補陀落渡海」
補陀落渡海 ―海の向こうにあるという浄土を目指し、死を覚悟して船出した人々の記録。
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読んだ本の記録。
宮本常一「日本人のくらしと文化 炉辺夜話」
宮本常一の講演をまとめたもの。宮本の農業や地域振興の指導者としての側面が示されていて興味深い。
各地の村や町がどう成り立ってきたのか、そこで人々がどう生きてきたのか、自ら歩いて蓄えた膨大な知識をもとに、全ての地域が対等に豊かであることを宮本は説き続けた。
「普通伝統と申しますと、古いことになじんで、そうして古いことを大事にしていくのが伝統だとお考えになっておられる方が多いのではないかと思いますが、伝統というのはそういうものではなくて、自分の生活をどのように守り、それを発展させていくか、いったか、その人間的なエネルギーを指しているものであるだろうと思うのです」
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「井上ひさしの日本語相談」
日本語についての素朴な質問に井上ひさしが答える。気楽に読める一方で、はっとさせられることも多い。
日本語は形容詞が少なく、その不足を補うために形容動詞が量産され、最近は「~的」という言葉使いが多用されるようになった。人称や数の支配を受ける英語の動詞に対して、他者との関係に支配される日本語の動詞。音節の少なさから来る同音異義語の多さ。……などなど。普段意識していなかった事に改めて気付かされた。
何より、「正しい言葉使い」にこだわるのではなく、どんな表現でも誤用や紋切り型と切り捨てるのではなく、なぜ使われるようになったのかを考え、向き合っている姿勢を見習いたい。巻末の丸谷才一らとの対談も、井上ひさしの言葉や劇作に対する姿勢が見えて興味深い。
守誠「ユダヤ人とダイヤモンド」
宝石の代表的存在とも言えるダイヤモンドだが、その価値は希少性に由来するのでは無い。デビアスによる採掘の独占、徹底した販売統制を経て、二流の石の価値が作られていった。
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