MONOの芝居はハズレがない。毎回、対話の面白さをたっぷり堪能させてくれる。しかも、ただ笑って終わりではなく、登場人物一人一人の置かれた立場やその言葉を通じて、現実の生活や社会についても振り返らされる。主宰の土田英生氏による初の小説であるこの作品も、それは変わらない。
舞台は近未来。移民が増えた日本社会に対する反動として、東京湾の人工島に“古き良き日本”の面影を残す「日本村」が作られる。そこには血統的に純粋な日本人のみが暮らすことを許され、外部からの観光客や、移民の血が混じる住民は例外として目印となるバッジの装着が命じられる。ある日、その島に設けられた“夢の次世代エネルギー”の発電所で事故が起こる。
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