東野圭吾「容疑者Xの献身」
スリリングで一気に読んでしまった。物語のテンポの良さ、トリック、終盤のたたみかけるような急展開など、一級のエンターテイメント。ただ、いつものことながら、登場人物の行動にちょっとした違和感も。都合の良い場面で唐突に理解を超えたような愛とか執着が出てきて、純愛、泣ける、という評価には、うーん、という感じ。
読んだ本の記録。
アーシュラ・K・ル=グウィン「パワー 西のはての年代記Ⅲ」
「西のはての年代記」第3作。類まれな記憶力と未来を見る能力を持ち、“幸福”な奴隷として学問を修めた少年ガヴィア。逃亡奴隷が築いた町も、人が人を支配する“力”が存在し、理想郷ではなかった。
自由とは何なのか。幸福を与えられることの欺瞞。前2作と違い、孤独で長い旅が描かれる。
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アーシュラ・K・ル=グウィン「ヴォイス 西のはての年代記II」
「西のはての年代記」第2作。占領下で文字の使用が禁じられた都市を舞台に、語り手の少女の成長を通じて自由と信仰、和解を描く。
語りかけるものとしての言葉や文字の持つ力の大きさ。手垢の付いたテーマなのに、もっと読んでいたいと思える世界観が素晴らしい。
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